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目が覚めるといつの間に起きたのか ネコが俺の胸の上に
座っていた。
「起きたのか。
 何時だ?」
もう朝じゃないか…
不自然な姿勢をとっていた体が痛い。
今日が休日だということを うれしく思った。
ベッドに横になると ネコが擦り寄ってきた。
「お前 帰らなくても良いのか?
 男の部屋に 無断外泊だぞ。」
メス…だよな?
「ちょっとごめんよ…」
長い尻尾を持ち上げて確認した。
丸い二つのボンボリが ないことに安心した。
ネコと言えども…
オスと言えども…
男は男だ。
男と一緒にベッドには いたくないからな。
「お嬢さんで良かったぜ。」
うつむいていたネコの目が 潤んで見えた気がした。
「怒ったのか?
 機嫌なおせよ。」
腕を伸ばすと枕にして ネコは眠りにおちた。
せっかくの休日を 寝て過ごすのはもったいない。
だけど腕枕をはずせずに いつしか俺も眠ってしまった。

   海辺を歩いていた。
   柔らかなゆらめきの中に人影が見える。
   彼女かもしれない…
   歩き続ける俺の腕に 赤いスカーフが絡みついた。
   白い服の女が俺の前にいて そっとスカーフを手に
   とった。
   俺達は スカーフの端と端を手に じっと見つめ
   合っていた。
   突然の強い風に スカーフが空へと舞い上がる。
   俺達は その行方を見守っていた―

午後の日差しの中で目が覚めた。
側にネコの姿はなかった。

       


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