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音信不通が経過していた時 突然あなたが家に訪ねて来た
ことがありました。
私に会いに来てくれたのではなく あの人を探すために...
私がたまたま あの人の職場を知ってしまっていたから。
なぜあなたは それを私が知っているということを知って
いたのかしら?
あなたさえ知らないことを あの人とは接点のない私が―
まだ若葉マークも取れない運転で あの日程 心から安心して
車を走らせられたことは なかったように思います。
助手席にあなたがいるというだけで あんなにも落ち着いて
いられたなんて。
あの人の職場へと向かいながら 複雑に絡み合った心情よりも
安心感が勝っていました。
知り合い始めた頃から 私はいつもあなたといて 不安を感じた
ことがなかったことを思い出していました。
どこへ行っても 何をしても それがどんなに未知なことで
あっても...
あなたがいるというだけで 不安も恐れも感じたことが
ありませんでした。
あなたはいつでも自信に満ちていて...
あなたはいつでも私を守ってくれた...
だから私はいつでも あなたといれば大丈夫だと感じることが
できたんです。
何が起きてもあなたのことだけは 信じることができていたから―
あなたに抱かれている夢を見ました。
感覚が体に残っていると錯覚する位 あまりにリアルすぎて
とてもおかしな気持ちです。
あなたに抱かれたいと思って眠りについたわけでもないのに...
どうして今頃になって こんな夢を見たりするのかしら?
一番最後に体を重ねた夜のことを 思い出したりします。
「早く終わると良いと思ってるだろ?」と あなたに言われ
ました。
実際 いつも私はそんな顔をして あなたに抱かれていたと
思います。
性の悦びというものを まだ私は知らずにいたから...
その行為が私達の間に なぜ必要なのかもわからずにいました。
あなたが求めるのなら 私がどう感じていようと あなたの
成すがままに抱かれていれば それで良いのだとしか思って
いなかったんです。
あの日からあなたは 私に触れはしても 私を抱くことは
なくなりました。
今にして思えば それはとても哀しいことだったのかもしれ
ません。
だけどあの頃の私は...
ぬくもりを確かめ合っても 体を重ねることのないあの関係の
方が 健全な愛情だと感じ その方が幸福とも思える心地良さを
得ることができていたんです。
性の必要性も悦びも理解できずに 未発達なまま抱かれ続ける
ことに 疑問を持ってしまっていたんです。
あなたが初めての人ではなかったのに―
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