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夕陽の差し込む放課後の図書館で 読むともなしにページを
めくっているのは 彼が…
先生がこの時間に ここを通るということを知っているから−
「まだ帰らないのか?」
きらめく笑顔に 心が溶けていく。
「外は雨だぞ」
「雨? カサ 持ってこなかった…」
「…送って行こうか?」
秘め事のようなささやきに ときめきで体が震えた。
先生は私の告白を 受け入れてくれたのかしら…
それとも ただの親切心?
心臓の鼓動の裏で 様々な想いが揺れ動いていた。
「十分後 裏口にいろよ」
言い残して 彼は出ていった。
十分後 裏口に−
彼の言葉が 頭の中を駆け巡っていた。
心で味わうかのように 繰り返してみる…
秒刻みの時を過ごして 裏口へと向かう。
はやる気持ちは 抑えなくてはいけないのだろうか。
重く引きずるような足取りの 演技をしてみる。
…素直じゃないナ。
夕立ちだったのか 雨はあがっていた。
この約束は無効?
不安な気持ちを抱きしめて 彼を待つ一秒を 無限の長さに
感じていた。
「行こうか」
一緒に駐車場に向かいながら 数歩先の後姿を見つめていた。
あの背中に 飛びついていきたい想いを抑えながら…
筋肉質の 引き締まった体…
広い肩幅…
あの胸に 抱かれることができたなら…
せつない−
助手席で見つめる横顔…
夕陽に赤みを帯びた前髪に 触れてみたい。
会話もなく走る車を 止めることができたなら…
このまま走り続けて行くのなら…
星にでも向かって欲しい。
信号が 全部赤になるように祈っていた。
この香りに包まれて ずっと横顔を見つめていたい…
ずっと ずっと−
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