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「二人とも なにをしているの?
あら…」
「こいつが開けてくれって…
なにを考えているのか さっぱりわからない。」
「この蝶々はね…
親子なんだよ。」
「そんなはずないだろ。」
「ううん。
この水色の蝶々が 紫の蝶々の赤ちゃんなんだ。」
「こんなに羽根の色が違うのに?」
「そうだよ。」
「お前 どうしてそんなこと…
おい ピンをとっちゃダメだよ。」
お姉ちゃん 痛くない?
キミも 大丈夫?
もう少しだから 我慢しててね。
「ピンがあったら 飛べないんだよ。」
「お前 標本っていうのは…」
「あなた 見て。
蝶々の羽根が…」
ピンを抜かれた紫の蝶々が ぼんやりと輝いて見えた。
その光に答えるかのように 水色の蝶々も輝きだした。
弱々しい淡い光は 光の脈を打ちながら 徐々に強く
なっていくようだった。
水色の蝶々のピンが抜かれた瞬間 部屋にまばゆい
閃光が走った。
紫色の光と水色の光は 互いに弧を描きながら一点に
集まってきた。
二つの光は柔らかく混じりあって 強い白い光を
放ちはじめた。
大きな白い光の塊が 強い光を放って音もなく弾けた
かと思うと ダイアモンドダストのようなきらめきが
部屋中に降り注いだ。
その中心には 赤ん坊を抱いた若い女が 柔らかな
微笑みを浮かべて立っているのが見えた。
その姿も徐々に薄れはじめ 遂にはなにも見えなく
なった。
部屋はただ静寂に包まれていた…
「僕の言った通りでしょ?」
「蝶々は死者の生まれ変わりだと 聞いたことは
あったが…」
物語るかのように 空の標本箱が残されていた。
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