「パパ。」
「これか?
 もっと大きなのにしたらどうだ。」
「ううん。 これじゃなきゃダメなんだ。」

「おかえりなさい。
 あら かわいい蝶々ね。」
「もっと大きなのを買ってやるって言ったのに…
 あいつは誰に似て 頑固なんだ?」
「あなたでしょ。
 …ちゃんと選んでた?」
「ああ。 だけど…
 水色の蝶々っていうのは 初めから決めていた
 みたいだ。」
「どこにでもいそうな蝶々なのにね…」

「パパ 来て。」
「なんだ?
 壁に飾りたいのか?」
「ううん。
 紫の蝶々を とって欲しいんだ。」

   よかった…
   僕 間違えなかったんだね。
   これからどうしたら良いの?
   …やってみるよ。

「この箱 どうやって開けるの?」
「これを開けて どうするんだ?」
「…この金具を外せば良いのか。」
「おい 待て待て。
 ガラスが危ないだろ。
 ちょっと貸してみろ…」
標本を欲しがったと思ったら 今度はその標本箱を
開けたがるなんて。
こいつは一体 なにを考えているんだ?