| そこに何かがあるかのように 想いが記憶の糸を辿っています。 なぜいつも『そこ』なのかが まだわからないから― 押し黙ったままのドライブが 夜の街に続く... 長身 細身 優しい瞳 ふっくらした唇 頑固そうな顎... まろやかな声 冷めた表情の中に隠された真面目さ... どこか惹きつけられてしまいます。 存在を確認するかのように 私はあなたを見つめ続けていました。 珍しいものでも見るかのように あなたの瞳が覗き込みます。 あなたが...私に恋をしているのを 知りました― 二人の手が戯れ合う前? 後? 僅かに寄りかかった私の肩に あなたが腕を回す... 無意識のしなやかさ― あなたの視線が スカートのスリットに落ちる... 私の脚にのせた 手のぬくもりが熱い... あなたの視線が 私の唇で止まる... 「会いたくなったら また会ってくれる?」 あなたの言葉に 緊張感を隠しながら 私は自信のある微笑を浮かべて... 別世界に夢を抱いてはいけないと 自分を諌めて背を向けました。 愛着と名残惜しさが募る前にと― |