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俺は今 とある島に来ている。
見るもの全てが眼に新しく すがすがしさを与えてくれる。
都会の埃っぽい空とは 全く異質な透きとおった空。
同じ国の中にも まだこんなところがあるんだな…
この部屋の窓からは 小さな港が見える。
港から少し離れたところに なにか…
泡のような物が浮かんでいるようだ。
泡かどうかはよく見えないが 白っぽい物が浮かんでいるのだ。
気のせいか 俺を呼んでいるような感じさえする。
「失礼します…」
女中が夕食を運んできた。
俺は女中に あの泡のような物のことを 聞いてみることにした。
「…あの港の先に見える 白っぽい物 なんだい?」
俺がそう言うと 驚いたように彼女の手が 一瞬止まった。
そして
「私 存じません。
港の方へはあまり 行きませんので…」
としか 言わなかった。
彼女の態度が少し変わったような気がした…
「失礼しました。」
そう言うと彼女は そそくさと部屋を出て行った。
俺には彼女がわざと 眼を合わせることを避けたように思えた。
食事中も あの泡のような物の事が とても気になっていた。
女中の見せた態度が その気持ちを強めさせたようだ。
しばらくすると 別の女中が後始末に来た。
俺は迷ったが この女中にもあの事を聞いてみた。
返事はさっきの女中と 同じだった。
そして この女中の態度も少し変だった。
なにかを隠しているとしか思えない。
俺は明日 港の方へ行ってみようと思う。
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