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胸の中で君の遠ざかる足音が 聞こえるようだった。
きっと 今ならまだ間に合う。
エアポートへと急ぐ 君が乗った車を止めることができるのに。
なぜだろう。
俺は凍りついたように 動けずにいる。
体をかけめぐる血は こんなに熱いのに。
手の痛みさえ 凍りついたようだ。
このままでいいのか?
「悲しみが好き」
かすれた声が 耳に残る。
泣きたい時の 君のくちぐせだった…
つらいのは俺だけでも 君だけでもない。
俺も人生を 自分らしく生きてきた。
そして もうどれだけ傷ついただろう…
でもあの頃 君と出逢えなければ 本当の自分を生きただろうか。
生まれたことをただ嬉しく思ったのは 君と巡り合うそのため
だったと信じていたから。
君と語り合う そのためだったと信じていたから。
もう一度 生まれ変われるのなら 違う生き方を人は選ぶの
だろうか。
もう一度 生まれ変われるのなら どんな生き方を俺は選ぶの
だろうか。
心に失くしてきたものと 手に入れたものを比べられやしない
ように誰も自分の道を歩いて たどった距離を引き返せない。
夢を選んで旅立とうとしている君を 追いかけて行かないように
俺の全てを懸けなければいけないのか?
これも愛情の一つだというのか…
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